UperGrafx プロジェクトは 10月18日から20日に米国オレゴン州ポートランドで開催される Portland Video Game Expo に間借りして出展する予定です. → https://www.retrogamingexpo.com/
出展準備があまり進んでおらず出展内容は UGX-01/UGX-02 での高解像度対応をするつもりです. 理由は短時間で準備ができそうだからです.
高解像度対応の意義
720p では PCE の画面がすこし横に長い欠点があり、これを補いたいというのが目的です. こういったレトロゲーム機の映像は画質や応答速度ではアナログの CRT が最高なのは事実です. 一方 CRT の入手や維持が困難だったり、体積や重量が大きいというのも事実です.
こういった中ディジタル映像化を進めるには複数の要素をよくさせることはできますがいくつかの要素を犠牲にする必要があると開発者は考えております.
ドットバイドット
開発者はドットを整数倍で表示することを最優先にしております. 小数倍も理論上できるのですがアナログを介せばできることで、その欠点は英語で Jailbar と呼ばれているそうです. 整数倍である以上闇雲に解像度をあげてもよくなるということではありません.
720p の解像度は PCE 特有の 1 pixel の横幅を可変にできる仕様に対して下記の利点があります.
- どの LCD でも対応している
- 音声を TMDS によって転送できる
- pixel clock が早くないので設計がわりと楽
- scanline の本数が 240 の 3 の整数倍
- 1365 master clock / scanline から 2,3,4 で除算して PCE の dotclock をだすことと表示の整数倍に矛盾が少ない.
- 描画期間中に pixel aspect ratio を変更する2本のソフト(あすか120と竜虎の拳)で自然(だと思う)
欠点は先述の1点のみです.
- 大半のソフトで使う 1365 / 4 mode のとき 1 pce pixel aspect ratio が 4:3 で横に長い
設計当初は CRT の横の長さはユーザーが決められるので正解はないと勝手に決めて気にしていなかったのですが、絵に詳しいひとから不評です.
縦4倍モード
ここからは 720p より高解像度の説明をいたします. それらの共通事項は下記となります.
- pixel aspect ratio は 5:4, 4:4, 3:4 の3通り
1920x1080 (1080p, screen aspect ratio 16:9)
利点
- 対応している LCD がとても多い
- 音声を TMDS によって転送できる
- 横方向の解像度が足りる
欠点
- 縦方向の解像度が 240 の整数倍ではなく対応に困る
- pixel clock が 148.5 MHz と結構早いので設計に困りそう
240 の倍数ではない点は縦4倍の場合は 120 line は余白になります. 縦5倍の場合は NTSC の 224 *5 であっても 40 line (PCE で 8 line) 足りません.
縦5倍モード
pixel aspect ratio は 6:5, 5:5, 4:5 になりますがこれは細いと思われます.
1920x1200 (screen aspect ratio 16:10)
240 * 5 の値かつ、横に余裕があるこれが理想なのかもしれませんが... これは UGX-01, UGX-02 の仕様上、性能不足で動きません. pixel clock が 192.16 MHz となり利用している TMDS encoder IC の限界および DVI の規定の最大値の 165 MHz を超えています.
TMDS として転送できる DVI と HDMI の共通は pixel clock 165 MHz までで DVI なら Dual Channel を選択し, HDMI では上位規格を選ぶ必要があります. また Display Port などの別規格も選択候補となります.
よてい
いろいろ書いてみましたが候補となる3解像度を試してみて本当に使えるのかの確認をします.