どの文書で読んだのか覚えていないのですが、ファミコンソフトには品質の維持を目的として1メーカーが出せる本数の制限が存在するようです。それをデータベースにかけてどのような傾向があるのか調べてみます。
全体的な発売本数が少ない会社から順番に書いた方が記事としては読み応えがありそうな気がするので、その順番で記載します。(しかし、古い記事が下に行ってしまうシステムでは意味がないかも)
ご注意
参考にしたデータベースはそこらへんに落ちててそれなりに使えそうな CSV ファイルで、パッケージの違いを除外したり、型番と発売日を修正したものです。このため信頼性は微妙です。この点をご承知下さい。
11位: データイースト/ 29本
|83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 DFC-xx | 0 0 0 2 2 5 4 6 3 0 0 0 DISK | 0 0 0 0 2 3 2 0 0 0 0 0 total | 0 0 0 2 4 8 6 6 3 0 0 0
まず表の読み方を記載します。
- 1行目の 83 から 94 の値は発売された年です。
- 2行目の DFC は ROM カートリッジの型番の先頭3文字です。1行目の年が発売された本数に一致します。
- 3行目の DISK は DISK で発売された本数で、 ROM 同様年数別となっています。DECO の場合, DISK の型番の先頭 3文字も DFC ですが、他社では別になることがあります。
- 4行目の total はその年の ROM + DISK の本数です。
データイーストはアーケードゲームに参入しており、自社で ROM カートリッジを作ることができるはずですが、参入が 1986 年と遅いため全て任天堂生産のものとなっています。
10位: アイレム/ 34本
|83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 IF-xx | 0 0 3 2 2 2 4 3 3 0 3 0 TIX-xx | 0 0 0 0 0 1 1 1 1 2 0 0 DISK | 0 0 0 1 5 0 0 0 0 0 0 0 total | 0 0 3 3 7 3 5 4 4 2 3 0
アイレムはアーケードゲームに参入しており、1985年前半と早めに参入したために、1987年までの ROM カートリッジは自社生産されています。1988年以後は任天堂生産品も混在しています。
TIX-XX のパッケージには「制作・発売元 株式会社タムテックス」「発売元 アイレム株式会社」と併記されています。アイレム生産カートリッジのソフトの多くもタムテックスが開発を担当しています。
自社生産品の型番は IF-01 から順番に数字が振られており、 TIX-XX の後に IF-17 などの型番が併記され、欠番はありません。
9位: ポニーキャニオン/ 36本
|83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 PNF-xx | 0 0 2 2 3 4 4 5 5 2 0 0 DISK | 0 0 0 2 3 3 1 0 0 0 0 0 total | 0 0 2 4 6 7 5 5 5 2 0 0
ポニーキャニオンにはレコード会社で、1985年後半に参入したため全て任天堂生産品です。
型番には R55V5911 という自社型番の後に任天堂型番 PNF-BZ が振られています。前者は詳しく調べていませんが、レコードなどにも同じ命名方式で振られているものと思われます。
8位: ハドソン/ 37本
|83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 HFC-xx | 0 2 6 5 6 2 2 5 3 2 2 1 DISK | 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 total | 0 2 6 5 6 2 2 6 3 2 2 1
ハドソンは1984年にサードパーティとして最初に参入しました。当時は無線販売兼パソコンソフト開発という小企業のため、 ROM カートリッジを自社生産することができずに任天堂が生産する形になっているようです。
ハドソンはPCエンジンに注力するためか、ディスクシステムに参入せず、1988年,1989年の ROM ソフト発売本数も明らかに減っています。
1990年に書き換え専用として初期のROMソフトをディスクへ移植しましたがこれは例外とします。
7位: カプコン/ 39本
|83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 CAP-xx | 0 0 1 4 3 3 5 6 4 3 5 0 STE-xx | 0 0 0 0 0 0 0 2 0 0 0 0 DISK | 0 0 0 0 1 2 0 0 0 0 0 0 total | 0 0 1 4 4 5 5 8 4 3 5 0
注目したいのは1990年の8本でそのうち2本が STE という型番が付いていることです。STE-XX のパッケージには「制作・発売元 株式会社ステイタス」「販売元 株式会社カプコン」と併記されています。
1989年が5本,1990年のCAPが6本,1991年が4本だということや、ポニーキャニオンとハドソンの傾向から推測するに年間発売本数は5本か6本であるようです。この仮定から本数制限を超えるために連絡先が一切書いていないステイタスを利用し、多くのソフトを販売したと想定できます。