cdimage 作成の手順と注意

UperGrafx 内蔵の CD-ROM2 互換機能ではメモリーカードに cdimage を転送した状態で運用します.

手順

  • cdimage の作成は PC から CD-ROM が読める drive を接続して行ないます.
  • cdimage の作成ソフトは CDManipulator を利用します.
  • 作成したイメージファイル (拡張子 .cdm, .img, .sub) を専用ソフト(後日提供予定)から専用パーティションへ無圧縮で転送します.
    • エクスプローラからファイルをコピーする手順ではありません.
    • CDManipulator 作成のデータ限定での対応です. 他ソフトが作成した cdimage を転送するプログラムを書いてくれる人がいらっしゃるなら転送ソフトのソースコード提供をしようと思います.

CDManipulator の設定

画像のようなオプションにしてください.

  • マルチセッションモード (これはシングルでもいいと思う)
  • 高度な設定を選択
  • プリギャップ解析を「しない」
  • 正しいTOCとギャップ情報の取得を「しない」
  • エラーの無視を「する」
  • 残り2つはわたしにはよくわかりませんので好きにしてください.

正しいTOCとギャップ情報の取得をしない理由

このオプションは Compact Disc の規格違反だった場合は厳格な情報に補正する機能です. おそらくこの目的は CD-R ドライブ一般普及時の CD コピー対策で意図的にエラーを混ぜた disc への対処だと思われます.

HE システムの CD-ROM の場合は規格策定がされたであろう1988年頃の設計で運用されており意図的なコピー対策ではありません (CD-R どころかファイルシステムさえ存在していない時代です).

この問題の原因は audio track の次に data track がある場合のギャップ領域の管理データとTOCの相違です.
例としてうる星やつらでは TRACK 2 にはギャップ領域である index 00 とデータ領域である index 01 の2つが存在します. TOC には index 01 の開始時刻は 00:47:71 と書かれていますが、実セクタの管理データでは index 01 は 00:47:70 から始まっています.
subchannel の該当データ. index01 は 00:47:70 から始まっている(管理データの時刻はBCD表記で実データから2秒加算した値で運用する). 色をつけたデータ順番に 02->track, 01->index, 00->時刻(M), 49->時刻(S), 70->時刻(frame)


mainchannel 00:47:70 のデータ. 管理データに補正するとここを参照し意味がないデータが出てくる.


mainchannel 00:47:71 のデータ. ヘッダがありこちらを読み込めば起動する.

この相違があった場合には HE システムの CD-ROM としては TOC を優先しますが、image作成のオプションでは管理データを優先して補正します. この相違はおそらく 1988年頃の Compact Disc の規格としては許容されるエラーと私は考えています.

大半の CD-ROM2 disc では TRACK 2 の TOC が HE システムのCD-ROMとして正しい値を得られれば正常に起動します. disc の末尾に予備として data track がありますがここにもTOCと管理データの相違がある可能性があります. ただしTRACK 2 が正常に読めれば利用されないので問題になりません.


1 つの disc に 3 つ以上の data track が存在する場合はこの相違が data track の数だけ疑いがあるので必ず補正されていない TOC を優先する必要があります.
例えば迷宮のエルフィーネは data track が 22 個もあり, このオプションを有効にすると補正が大量にかかりますが、 TRACK 2 は問題ないので起動はするものの絵がおかしくなります.
(左がTOC準拠、右が補正されたもので違いが大量にある. これは data track のみを抜粋した比較であり, audio track を含めると相違点が大量にある. audio は2/75秒程度ずれていても人が違和感を感じないはずで動作には影響が少ない)


エラーの無視をする理由

ディスクが物理的に損傷していない場合、いままででたエラーを見るとギャップやloadout領域の規格違反ばかりでした. CD-ROM2 システムではギャップやleadout領域のデータを見ることはありませんので無視して構いません.
エラーも含めて精度の高い完全なイメージを作りたいという話だとCD-ROM2互換機能開発の目的からそれていきますので光学ディスクの専門家を探して相談してください.