PC-9821 のハードディスク相当を復旧する / その1

やることはよくある IDE コネクタに Compact Flash を接続するやつです.

2000年ぐらいにハードオフで本体が 500 円だったから買った PC-9821V16, 周辺機器を買いそろえたら結果としてえらい値段になりました. それからも時々 PC-98 ならではの性能で活躍していましたが、 2010年ごろに HDD が死んだこと忙しくなったことが複合して押し入れの奥にいましたが、復旧用のデータが見つかったのでやることにしました.

目的

  • ハードディスクを Compact Flash に代替する
  • DOS のゲームが動くようにする
  • TCP/IP で現行のパソコンと通信できるようにする

Compact Flash の下調べ

Compact FlashIDE port に挿して代用するのは当時からあった気がしますが、このご時世健康なパラレル IDE のハードディスクは手に入らないし、 Flash Memory はえらいやすいのでこれを利用します.

一応、電子回路設計をする立場なので一般ユーザーが相性という曖昧な言葉で片付けるようなことも技術書や仕様書を読んで下調べしました.

Compact Flash (PC card) を IDE port にさすコネクタはそういう用途前提に設計されているので、物理的な形状の変換だけで済みます. 電源電圧も 5V, 3.3V どちらでも動くようになっているのを確認しました.

Compact Flash のカードそのものはよくいわれているようにこの用途では電源投入時に True IDE mode になる Compact Flash が必要です. True IDE mode は規格上必ず実装されている必要があるが、電源投入時にそれであるかは個別の依存とのことです.

そのつぎに PC-98 側の IDE ハードディスクの容量制限があります. Compact Flash もそれらの制限容量以下のものを用意する必要があります. 目的が DOS のゲームであれば容量は 2GB で十分な気がします.

TCP/IP の下調べ

PC-98DOS という時代、 TCP/IP とかいうマイナープロトコルは話題に上がらなかった気がします. Windows でもダイアルアップでインターネットをしていたのか、 LAN をつないで PC-98 から TCP/IP 通信をするというのは個人では珍しかったのではないでしょうか.

時は流れ今更フロッピーディスクでファイルの受け渡しはかったるいです. そもそも今のパソコンにフロッピードライブなんてついてません.

以前 HDD が死ぬ前は Plamo Linux から TCP/IP を利用しておりました. しかしメインの OS は DOS であり、現行のパソコンとファイル転送するには Linux を立ち上げて ftp なり wget なり scp をして、マウントしておいた DOS パーティーションにアクセスというのをやっていましたが、OS 切り替えが面倒でした.

まだ使ってませんが, TEEN というソフトが MS-DOSTCP/IP 通信が出来るということがわかりましたのでファイル転送にはこれを活用しようと思います. こういうのが無料で手に入るって、中古のV16を500円で買ったときは知りませんでした.
http://www.pc88.gr.jp/teen/wiki/index.php

それらが全て落ち着いたら Plamo Linux は今は配布してないので FreeBSD (98) をいれて openssh でつなぐぐらいはやろうと思います. ただこの分野は(Windowsも含めて)わざわざ PC-98 でやる必要がないので微妙なところです.

下調べからの作業の流れ

  • Compact FlashIDE コネクタに挿す
  • MS-DOS が起動するフロッピーを用意して Compact Flash をフォーマットしてシステム転送
  • Compact Flash が BOOT できることを確認したら現行の PC に持っていって dd でディスクイメージを軽く解析
  • そのディスクイメージにツール,ゲーム,通信のデータを大量に入れ再度 dd で書き込む
  • 実機に持っていってそれらが動くことがわかったら TCP/IP 経由で足りないファイルを補充していく

ということを想定しながら部品を買いそろえました. (つづく)