9821 のハードディスク相当を復旧する / その4 (終)

Filesystem 関連

前回細かく書いていたのは LBA=0 を PC-98 用, AT 用に調整すれば現行のパソコンから普通にファイルシステムにアクセスできるだろうという考えでした.

結論からいいまして下記でした.

  • NEC 5.0 の FAT header のフォーマットが謎で RCF-X 64MB で発生して 2GB の SD カードでは NEC 6.2 だけだった
  • NEC 6.2 だけのほうは AT 用の MBR として LBA #88 からにすれば普通に mount できた
  • FAT header の offet 0x1fe に data 0x55, 0xaa が規格上いるはずが NEC は書いてないし, 今の Windows でも文句をいわない
  • RCF-X 64MB は LBA #88 から FAT として Windows からフォーマットした場合は PC-98MS-DOS からも使える
  • どちらの場合も 1 cylinder = 8 Heads , 17 Sectors; 8 * 17 * 0x200 -> 0x11000 となる.

当然ながら MBR だけ書き換えて mount するという考えは別の方がちゃんとしたツールを作っていましたので NEC 5.0 の謎フォーマットだけが問題でした.

TCP/IP

LGY-98 を持っていましたので下記の文書のままでそのまま使えました.
http://www.qsl.net/ja0rug/teene.html

TEEN 用の ftp client やWindows共有フォルダアクセスツールも普通に使えました. Windows のほうはセキュリティ甘めが必要でした, パスワード有りはやってみたけどだめでした.
つまりオンラインのファイルの受け渡しも問題なくできます.

ゲーム

ちゃんと動きました. でもゲームやるだけならエミュレータのほうが楽かなと思いました. 何より 2018 年の常識では PC-9821 の寸法は大きすぎで邪魔です. 2010年あたりからコンピュータ用の機器がどんどん小さく高性能になっていくのはなんとなく気付いていましたが、 1997 年の常識とは全然違う物でした.

おわり

SCSI カードが動かなくなっていたので、 16GB や 8GB の flash media が使えません. FreeBSD (98) の導入はやらずにここで終わりにします. LGY-98 や MS-DOS 起動ディスクの所持がハードルでしたが、それ以外は機材も簡単に揃いますし、ソフトの操作も経験があれば難しいことはありませんでした.

一応この機材を残していた理由が PC-9821 実機ででないとできないことのためで、それが PC-98 向けではないフロッピーディスクの解析でした. 5 インチディスクとかファイルシステムがない特殊用途とか、そういう依頼がたまにあったので残していました. それも死んでいた期間に依頼があったわけではなかったし、私だけがそれをやれるという分野でもないように感じました.